Hej!!Sandorcaです。
2023年9月8日から4年に1度のラグビーワールドカップが開催されます。
今回はタイトルにあるように、ラグビーを数値で観てみましょう!!って記事になります。
ソースは、Sandorcaがラグビーのアナリストをしていた時にカウントした値とラグビーチャンピオンシップでカウントした値を基にしています。
一概に全て当てはまる訳ではないですが、ラグビー観戦が少しでも楽しくなればと思います。
では、いってみましょう。
8月5日(土)の19:15〜に日本テレビで日本vsフィジーがあるので、お時間ある方は観ていただければ、有り難いです。
1.トライが発生しやすい場所
これはグランドのどこの場所から攻撃を開始すると、トライが生まれる確率が高いか?というものになります。
ラグビーには、5メートルラインとか22メートルラインと色々なラインの名称があります。
ルール上必要なラインなのですが、ちょっと難しいですよね笑
今回は、上記の画像のライン名を使って説明していきます。
また、SゾーンからCゾーンまで名称を付けていますが、これは説明のためSandorcaが命名したものなので、一般的な名称ではないのは悪しからず・・。
【トライの確率】
★Sゾーン:敵陣ゴールライン〜22メートルライン→40%
★Aゾーン:敵陣22メートルライン〜ハーフライン→30%
★Bゾーン:自陣ハーフライン〜22メートルライン→20%
★Cゾーン:自陣22メートルライン〜ゴールライン→10%
つまり、ずっと敵陣にいてボールを確保し続けられれば70%(40%+30%)の確率でトライが出来ると言うことですね。
ラグビーを観ていると、自分達のボールなのに蹴って相手に渡してしまっている場面があると思います。
これは、相手にトライをされる確率を軽減し、自分達のトライの確率を上げるために、自陣ではなく敵陣にボールをキックを使って運んでいると言えます。
ラグビーはパスの場合は後ろにしかボールを渡せないのでキックが非常に重要になってきます。
2.トライが起こりやすいプレー
これはどのプレーがトライに繋がりやすいか?というものです。
もう少し解像度を上げると、トライの起点となったプレーは何か?と言うものです。
この「トライの起点となった」と言う部分を以下のように定義します。
==
・ラインアウト
・スクラム
・キックのレシーブ
・ターンオーバー
以下のプレーはその他と定義します。
・キックオフ
・ドロップアウト
・ペナルティ・フリーキックからのタップキック
・その他
==
1試合でトライが発生した攻撃の起点の割合は以下の通りです。
★ラインアウト:50%
★スクラム:20%
★キックレシーブ・ターンオーバー:20%
★その他:10%
この値で分かるのは、ラインアウトとスクラムからの攻撃がトライの70%を占めているということです。
よく実況や解説で、セットプレーは重要ですと言われるのはこのためです。
ただし、最近はゴールラインドロップアウトの導入や敵陣ゴール前でペナルティをとった場合はタップキックでクイックリスタートをするチームも増えているので、最新の確率は少し変わっているかもしれません。
とは言いつつもラインアウトとスクラムの重要性というのは揺るぎないかなと考えています。
何故このような数値になるかと言うと、スクラムの場合はフォワードを一箇所に8人集められるので、バックスの1人ひとりのスペースが広く確保できるというのがあります。
ラインアウトも同様で、一箇所にフォワードを集められて、バックスは相手のディフェンスから20m離れてアタックを開始できるので余裕があります。
また、ラインアウトはモールと言うフォワードが一塊になって攻撃できるオプションがあるのが1番大きいかなと考えています。
3.トライをするために必要なアタックフェイズ数
ラグビーを観ているとたまに出てくるのが、フェイズ(Phase)と言う言葉です。
これは、スクラムからアタックを開始して、タックルが発生しラックができました。
これを1フェイズと定義しています。
その後、ボールが出てまたタックルが発生し、ラックが形成されたら、これで2フェイズとなります。
端的に言えば、ラックからラックまでの回数、攻撃回数と言い換えても良いかもしれません。
では、大体何回攻撃したらトライになるのか?ですが、以下のようになっています。
1試合でトライが発生したフェイズ数の割合です。
★1フェイズ:30%
★2フェイズ:25%
★3フェイズ:15%
★4フェイズ以降:30%
この値で分かるのは、3フェイズまで止めることが出来れば、相手のトライの70%を防げると言うことです。
1フェイズでのトライが1番多い理由は、ラインアウトからのモールが1フェイズとしてカウントされるためだと考えます。
ですので、1フェイズ目(ファーストフェイズと呼称される場合もあります)と言うのがとても重要になります。
特にセットプレーでは、ディフェンスラインが揃っているのでそこを突破されてしまうと、相手のトライの確率は大きく上がってしまいますね。
4.パスを最もするポジション
ラグビーのポジションは下記の記事にまとめています。
【2023年ラグビーW杯】各ポジション解説
以下の数値は2019年ラグビーワールドカップでの数値になります。
1位:スクラムハーフ
2位:プロップ・フッカー
3位:ロック
1位スクラムハーフは妥当だと思います。パスをするポジションなので。
ただ2位は意外ですよね。ラグビーを少し知っている人であれば、2位はスタンドオフになりそうなものです。
これは、ここ数年でラグビーの戦術が大きく代わり、スクラムハーフからフォワードにパスし、フォワードの真後ろにいるスタンドオフにパスをする「スイベルパス」というプレーが増えてきたからだと考えます。
ちょっと前までは、プロップ・フッカーはスクラムだけ組んでいれば良いんやでと言われていましたが、今はパスと走力が求められる時代になっています・・・。
5.タックル成功率の罠
タックル成功率85%以上ないと勝てないと言われることがありますが、タックル成功率は取り扱いに気をつけないといけません。
何故なら、タックル成功率100%で、50点以上得点を取られる場合があるからです。
理由は、タックル成功率はタックルにいかないとカウントされないからです。
つまり、パスで振り回されてタックルに行く機会すらない場合は、タックル数にカウントされないので、タックル成功率100%なのに大量得点で負けてしまうと言う場合があり得るのです。
ですので、相手にタックルできるディフェンスシステムになっているか?というのが重要になってきます。
タックル成功率が高いのに得点を取られている場合は、ディフェンスシステムに問題があるんだなと思っていただければと考えます。
6.ボールキャリアーの運動エネルギー
トップレベルのラグビー選手の身体って凄いですよね。
しかもそれらが、あのスピードでぶつかり合うって、もはや恐怖だと思います。
では、それを数値的に出してみましょうか。
※Sandorcaは物理学未履修なので、誤りがあればコメントいただけると有り難いです。
一般的な原付であるホンダのDIO(ディオ)に登場してもらいます。
重さは約80kg。
ラグビー選手は、レジェンドであるジョナ・ロムー選手に登場してもらいます。
身長:196cm
体重:120kg
100m走:11秒フラット(10秒台という記事が多いですが、計算しやすいように11秒にしてます)
運動エネルギーは、1/2 x 質量(kg) x 速度(m/s)の2乗なので、100m11秒フラットを時速に直すと大体時速33キロになるため、ジョナ・ロムー選手の運動エネルギーは、5042J(ジュール)になります。
これを原付のDIOに当てはめると、時速40.2キロで5050J(ジュール)になります。
つまり、ジョナ・ロムー選手にトップスピードでコンタクトされるのは、原付に時速40.4キロでぶつかられるのと一緒と言えます。
まぁ、怪我しますよね笑
また、これは100m走の値を単純に入れているだけなので、最大加速中の時速はもっと早くためタックルを受ける選手はもっと衝撃を受けていると考えられます。
※100m走の最大スピードは、走り始めてから6〜7秒後と言われています。
ただ、ジョナ・ロムー選手は伝説的な選手ではありますが、現代ラグビーの選手達の方がフィジカル的にもスキル的にも優れているかなとSandorcaは考えています。
何故ならトレーニングにサイエンスがかなり介入しているし、アタックスキル・ディフェンススキルともに、研究され、それを体系的にコーチング出来るようになっているからです。
とは言いつつもジョナ・ロムー選手の偉大さは変わらないですが。
オールブラックスのアーディ・サベアとか本当にヤバいんだろうなと・・。
自分と同じポジションだからかもだけど、あのプレーは憧れますね〜。
ジョナ・ロムー選手の動画
アーディ・サベア選手の動画
7.終わりに
数値で観るラグビー、いかがだったでしょうか?
まとめると、ずっと敵陣にいて、セットプレーを全て制圧し、3回止めれば勝てる可能性が高いよねって思ってもらえると良いかなと思います。
ただ、選手の持っている特性やコーチ陣が目指しているラグビーによって戦略・戦術は変わってくるので、何を選択して何を捨てるのかってのが重要になってきます。
各チームの戦略・戦術の違いと言うのが、ラグビー観戦の醍醐味のひとつかなと思ったりしています。
さて、次は何を書こうかな。
ちょっとネタを考えようと思います。
それでは、また。
Fight for Liberty
P.S
ラグビートリビアを1つ。
NZ代表の選手達が来日した時の楽しみは、とんこつラーメン。
美味しいよね〜。
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